211123
愛しのグリーン
ぼくの部屋にはグリーンがある。ツピタンサス(Tupidanthus)という名前で、勝手に「ツピタン」という愛称で話しかけている。
ツピタンが家に来たのは3年前の冬だ。ふと部屋に癒しが欲しくなり、すぐさま近くの園芸店に駆け込んだ。実にさまざまな種類の植物があって、選ぶのに苦労したのを覚えている。人気のモンステラやパキラでも良かったのだが、片隅でひっそりと佇むこのグリーンにどうしても目がいってしまった。細身ながら付ける葉は大きく、綺麗に放射状に伸びる葉、そこで即決した。はじめてのグリーンだ。
当初は枝が3本、葉も下向きに垂れており、しばらく新芽が出なかったので心配だった。しかし春が来るとすくすくと成長しはじめ、多いときは1ヶ月に5本も新芽が出ることがある。生えてきた枝をすべてそのままにしておくと、全体の栄養が不十分になる。必要に応じて剪定をしてあげることが重要だ。また定期的な葉水や、成長にあわせて鉢のサイズを大きくすることも健全な生育のポイントである。グリーンを育てるのは面白い。新芽が出てきたときの喜びは想像以上にうれしい。新芽が何度も生えて、重なって背が伸びていくことをツピタンから学んだ。
3年が経ち幹も背もずいぶんと逞しくなった。今では完全に部屋の一部となっていて、家を出るときや帰ってきたときは挨拶をするのが日課だ。将来的にはシンボルツリーになり得るくらいに大きく育って欲しい。
がんばれツピタン。